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2015年10月 6日 (火)

0930【槍ヶ岳】1DAY 新穂高⇒東鎌尾根⇒北鎌尾根⇒槍ヶ岳⇒新穂高

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北北東から見た槍ヶ岳。

北鎌尾根を登ってきた者にだけ許される、

槍ヶ岳もうひとつの勇姿

どうしてもチャレンジしたくて数年、ようやくその機会が訪れた。

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「かつおさん、ワンデー北鎌行きませんか?」

「ま、マジでぇ?!」

少なくとも1泊2日、もしくは2泊3日で行くものだと思っていた。

少数の方がワンデーしておられるのも知っていたが、とても頭には無かった。

でも、のだっちの体力とクライミング力に頼れば、非力な自分でもひょっとしたら行けるかもしれない。。。

ワンデーで駆け抜けるには暑過ぎる8月、雪降る可能性のある10月を避けると9月がベストか?

2人の休みが合う水曜日は9月に2回のみ、ここに気象条件が揃わないと危険もあり決行できない。

1回目のチャンスは私の体調不良により断念、最終9/30(水)は直前まで行くかどうか迷った。

Screenshot_20150929122609 前日夕方の予報は明け方が爆風20m前後で登山指数はC(お勧めできない)。

しかし北鎌尾根に差し掛かるであろう昼からは風速10m、但し気温はここ数日で一番低い。

「無理せず来年にしますか」、との話も出た。

Screenshot_20150926072758_2 しかしこの高気圧にかけてみる事にした。

気温は低い、風は強いが晴れを判断。

これが凶か吉か?爆風でダメなら新穂高⇒槍ヶ岳で引き返すことを前提に。

 

1前日夜20時集合、片道400km4時間30分で新穂高到着。

交代で運転するものの、お互いに車で1時間も寝れたかどうか。。。

ロングルート、滑落は五体不満足を意味するので睡眠不足が心配される、しかしそれも覚悟の上。

車を止めて身支度30分、トレランウェアにヘッデン装着して即出発するが新穂高はかなり寒い。

暗闇の右俣林道をヘッデンの明かりを頼りに抜けていく。

熊鈴は必須。



≪GPSによる実測タイム≫

新穂高 1:03(1127m)

白出沢出会 2:04(1548m)

槍平小屋 3:23(1931m)

飛騨乗越 5:19(3019m)

槍ヶ岳山荘 5:29(3085m)30分休憩

水俣乗越 7:01(2427m)

北鎌沢出会 7:49(1798m)20分休憩

北鎌コル 9:29(2480m)

独標 11:07(2871m)

北鎌平 13:12(2989m)

槍ヶ岳 14:11(3180m)

槍ヶ岳山荘 14:31(3091m)30分休憩

槍平小屋 16:08(1986m)10分休憩

白出沢出会 17:23(1557m)

新穂高 18:23(1097m)

20150930jpeg_237.6km、計17時間20分(約1時間30分の休憩含む)

ルート詳細はヤマレコ

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-735421.html






その軌跡

2 5:13 飛騨乗越の手前で空が明るくなってきた。

ここまで早足でお互いに殆どしゃべらない。

無駄な体力は使いたくなかったから。

飛騨沢辺りから更に気温が下がり風も強くなってきて、ウィンドブレーカーを着込む。



3 振り返ると笠ヶ岳2897mを見下ろし、雲海とスーパームーンが美しい。

5 5:18 飛騨乗越で朝焼け。


8 5:35 槍ヶ岳山荘前で日の出待ち。

富士山も見えた。

9 5:36 槍ヶ岳と日の出。

ただただ感動して見惚れる。

まだ時間にして1/4程度しか進んでいないが、とにかく幸先良い。


10

11 小屋の温かいストーブの横で朝御飯と

ココア(500円)は最高のエネルギーとなった!



12 6:15 東鎌尾根からの槍ヶ岳。



13

14 雲海と青空、穂高連峰が素晴らしい。

予想に反して風は強くないのでスイスイ進んでいく。


15

166:45 東鎌尾根名物の長梯子。


17 6:50 北鎌尾根と槍ヶ岳。

今日はあの稜線を進んで、あの穂先へ立つのだ。


18 7:09 北鎌沢へ向かう。

のだっちは先を進んでいる。

当然ながら浮石だらけでズリズリ滑りながら降りていく。

雪渓は無い。

197:48 あのケルンが北鎌沢出会の目印。

先人たちのコースタイムと照らし合わせても水俣乗越⇒北鎌沢出会まで48分での到着はかなり早かったが、思ったよりも長い。

沢登りのおかげで石の上を飛んで進めた。



20 ここからあの先の北鎌コルを目指す。

出会いから10分ほど進んだ所に右俣に入る場所が少し分かり難い。

沢水が涸れる手前で水を補給するのがセオリーであり、のだっちは500ml給水したが私は給水せず、冷たい沢水をがぶ飲み。

実は新穂高からココまでハイドレーションの水は2口しか飲んでいない。

水分はアミノ酸ゼリー2つと槍ヶ岳山荘のココアのみ。

出発時600ml入れたハイドレーションはまだ500mlはあるはずで、あと2個のアミノ酸ゼリーがありこの気温なら北鎌尾根から槍ヶ岳までは持つはずと判断。

荷物は軽い方が良い。

しかしこれは甘かった・・・。

北鎌沢出会からコルまで約700m標高UPはかなり発汗し喉が渇いた。

涸れ沢の後半にホンの少しポタポタと流れる温めの沢水を慎重に掬って何度も飲んで喉を潤した。

もうココから水は一切無く、エスケープルートも無く、

覚悟して槍ヶ岳へ進むしかない。

21 9:13 コルまであと少し。

211 黄葉もきれい。



22 10:49 独標の巻き部分。

私はストックはザックに仕舞ったが、のだっちはそのまま行き、危ういトラバースでシューズの紐の輪にストックの先が入ってヤバイ時の写真。。。

ここまでに大型20kgザックくらいの方を3人追い越したが、重いとそれだけリスクも大きい。

私ものだっちもこの時点でザックは4kg前後であろう。

もちろん最悪の事態を想定してツェルト他、泊れる装備は最小限入れていたがこの重量。



23 10:55 独標は巻いて稜線へ登る。


24

25硫黄岳尾根であろうか。


251

26 11:29 P12辺りから見た槍ヶ岳、北鎌稜線上では最も景観の良い場所のひとつ。

お揃いのPETZLオレンジヘルメットにて。



263 今日の私は3/4タイツと膝下スパッツにしたが、暑いと下にずらせるから良い。

足元はトレランシューズのinov-8 ROCLITE 280。

9mmDropのクッション性、ソールのグリップ力、そして軽量感はこの稜線を駆け抜けてもまるで問題なかった。

もうこれからは標高3000mでも重厚な登山靴を履くことは無いだろう。

但しゴアテックスにしなかったので、通気性良過ぎて明け方の足先は寒かった。。。


27 12:20 P15手前の巻き道。

右側へ微かにバンド見えるが滑落すると多分下200mくらいは止まらない斜面だ。

ザレているがホールドはなんとかなった。

写真はのだっち。



271 その先は超ザレザレでホールド無しな超危険斜面。

写真は私であるが、ほぼ同じコーディネート(笑)

万一のレスキューも考えて目立つ色合いにして偶然の一致。

ココが私にとっては北鎌一番の核心部であった。

ここを20kgザックで通過するのは有り得ない・・・。

後続の方は大丈夫だったかな。

バリエーションなんで稜線越えしたらOKなんかもしれないが。。。



28 13:08 北鎌平付近2977m、

あと標高200mで槍ヶ岳山頂は目前。


29 13:24 標高3043m、あと140mで山頂。

気温低く、風も強まりのだっちはダウン装着。

私はウィンドブレーカーに加え、アウターはレイン上下を着込んだ。

さすがに疲労は隠せない。。。

しかし、もう本当にあと一歩一歩、一手一手進むのみ。

ここで滑落しようものなら全てが水の泡だ。

焦る気持ちはあるが、慎重に慎重に。


30 ほら、もうそこだ!

緊張して心臓がバクバクしてきた。

間違いは許されない。



31 有名なカニのハサミ。



32 慰霊プレートがあちらこちらにたくさん有る。

見かけたらその場で合掌した。

多くの方が亡くなっている場所であり、私も含めて多くの人の憧れの場所でもある。

「穂先は近い 気を抜かず 頑張れ」


321応援を貰い更に奮起する。



33 どんなルートでも行けそうであったが、カニのハサミ方面へ回り込む。



34 天上沢方面の黄葉は素晴らしかった。

苦手の高度感は克服しなければならない。


35 13:52 二つ目のチムニーを登るのだっち。

一つ目は私はパス、二つ目はのだっち先生のご指導で容易に登れた。

用意はしていたがノーザールクライムであり、無理はしなかった。

もう標高3100m付近であり、

山頂まで80mを残して滑落するわけにはいかない。



351

352高度感と緊張と嬉しさで、だんだん震えてきた。

まさにクライマックスだ。


既に山頂に居る方々から、

「うわ!裏から登ってきてる!」

という声が聞こえてきて手を振った。



そして、、、

3614:11 槍ヶ岳3180m登頂!!!!

とうとう、やった!

素晴らしい、何もかもが素晴らしい!!!!

がっちり握手して写真を撮ってもらった。

ありがとうのだっち、ありがとう槍ヶ岳、ありがとう写真撮ってくれた人!

37360度の景色を楽しみ、感動の時間を堪能した。


しかし長居は出来ない。



38 14:38 出発から12時間半、エネルギー補給でおでんと楽しみにしていたCCレモン。

私は筋肉痛が酷くなってきたのもあり、30分休憩。

ただもうここまで来ればあとは危険箇所は無い。

それだけで大きな安堵に包まれた。

北鎌尾根はずっと張り詰めた緊張感を維持していたので無理は無い。

しかし寝不足ながら睡魔もほぼ無くて良かった。



39 14:42 ありがとう、槍ヶ岳。

そしてさようなら。



41

4215:27 再びトレランスタイルになり飛騨沢を駆け下りていく。

槍ヶ岳⇒新穂高は標準CT6時間の為ゆっくり行くと夜21時になってしまう。

明日はお互いに仕事だし早く下らねば。

ってことで、筋肉痛を押して下りはゆるめのランにて槍平まで1時間で到着。

しかしそれ以降完全に完全に私の脚は売り切れ、痛みを堪えてラン&ウォークを繰り返す。

でも進むしかない。。。



槍平から白出沢までは遠い、遠い・・・

右俣林道からは途中ヘッデンで前方を灯した。



18:26 新穂高に到着し、その後は平湯の森で汗を流す。

400km5時間の運転を交代でこなし、帰宅は25時。

予定通り0泊3日のハード山業になった。

本当にお疲れ様でした。

43 さて帰宅後のハイドレーションの残り水。

行きに入れたのが約600ml、途中一切補給しなかったがまだ300mlは残っていた。

アミノバイタルゼリーも4つ持参で1個余った。

17時間で水分補給はゼリーやココア、沢水も含めて1Lくらいで済んだと思われる。

9月末という季節がそうさせてくれたのであろうが、時期としては最良であったのかもしれない。

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【回想】

兵庫県の登山家「加藤文太郎」が昭和11年厳冬期の1月に遭難し息絶えたのは槍ヶ岳北鎌尾根であった。

同じ出身県であり、大好きな六甲山をホームグランドにしていた文太郎は自分の中では大きな存在であった。

「北鎌尾根」と検索すればネットやヤマレコでは詳細のルート、多様な情報で溢れている。

必要な情報をピックするのは容易であるが、何より北鎌尾根は体力と登攀力を要求される。

年齢と共に下降する体力を何とか維持しつつ、その期限を45歳と数年前に定めていた。

今年はそのラストチャンスであった。

一人でチャレンジするほどの勇気も技術も無く、悶々としながらトレイルランと沢登りで体力向上に努めた。

8歳も年下で体力もクライミング技術もバリバリの野田さんに声を掛けてもらい、しかも日帰りで行こうと。

もうこのチャンスを逃すわけには行かない、ギリギリ迷惑を掛けない範囲で着いていけるかもしれない。

1DAYフィニッシュという大きな課題にトライし、なんとかゴールした。

最終的には後半で失速し、新穂高までトレランで帰るつもりが槍平からは歩いて帰ることになってしまった。

ここ数年の中では飛び切り大きな達成感と感動を味わうことが出来た。

まさに感謝と感動と完全燃焼の一日だった。野田っち、本当にありがとう。

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コメント

先日はホントお疲れ様でした~。ワンデー北鎌の計画に乗って頂いてありがとうございました!まー、下調べが万全だったのでスムーズに行けましたね。スムーズといっても長時間でしたが…。また来年ハードな山行計画を考えますね~。その前にそろそろ雪山ですね。今シーズンの雪山も宜しくです。

■のだっち、ありがとー。全てのだっちのルーファイ、ペースが良かったので達成できました!是非次なるチャレンジを見出したいところですね。
 しかし大きな達成感の後は身体の不具合を引きずったままでして。。。
 不明の頭痛と微熱がずっと続いております。これを解消しなければと思いながら、ちょっと長過ぎるので今週MRI検査してきます。何もなければ良いのですが・・・
 また御付き合いよろしくお願い致します!

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